訪問マッサージと訪問リハビリは何が違うの??

訪問マッサージ、訪問リハビリはどちらも在宅で利用できるサービスです。
共通点はそこだけ!目的や施術者、適用される保険なんかも違うのです。
何がどう違うのか、詳しく解説していきます。

訪問マッサージとは??

訪問マッサージとは、「あん摩マッサージ指圧師」が患者様の自宅などで行う医療上必要なマッサージの事です。

国家資格「あん摩マッサージ指圧師」免許を持った施術者が、病気や怪我で歩行困難となり病院や治療院に通えない方の自宅などへ訪問します。
筋麻痺・筋萎縮・関節拘縮などの症状があり、医師が医療上マッサージが必要と診断されれば医療保険が適用されます。その場合は同意書を発行してもらう必要があります。

同意書についてはこちらを参考にしてください
訪問マッサージや訪問鍼灸と同意書

保険適用や料金についてはこちらを参考にしてください
訪問マッサージは保険が使える?料金は?現役マッサージ師が解説!

訪問リハビリとは??

訪問リハビリテーションとは、理学療法士や作業療法士・言語聴覚士などのリハビリの専門職が、自宅に訪問して行ってくれるリハビリのことです。

訪問リハビリを利用できるのは高齢者などで、リハビリ施設や病院への通院が困難な方、施設からの退院後の日常生活がまだ不安な方などです。
65歳以上の要支援・要介護認定を受けており、主治医に訪問リハビリの必要があると認められれば利用ができます。

理学療法士(PT):運動やマッサージなどによって立ち上がる・歩くなど、日常生活に必要な体の基本動作の維持・回復を目指す
作業療法士(OT):家事や手芸などの作業や動作を通じて、認知機能などの心身機能や日常生活機能の維持・回復を図る
言語聴覚士(ST):発声や発語、会話コミュニケーション能力のリハビリ、嚥下機能の訓練などを行う

訪問マッサージと訪問リハビリの違い

◯施術者

訪問マッサージ
国家資格のあん摩マッサージ指圧師免許取得者が行います。

訪問リハビリ
理学療法士(PT)作業療法士(OT)言語聴覚士(ST)免許取得者が行います。こちらも国家資格です。

◯対象者

訪問マッサージ
疾病や怪我が原因で歩行困難になり、自力で病院や治療院に通えない人で、医師に医療上のマッサージが必要と認められた人が対象者です。

訪問リハビリ
要支援・要介護者認定を受けた人で、医師に日常生活を送るためにリハビリの必要性が認められた人が対象者です。

◯目的

訪問マッサージ
筋力の維持や向上、疾病による麻痺や拘縮への関節可動域の維持や拡大、痺れや疼痛への症状緩和が目的です。

訪問リハビリ
自立して日常生活を自宅で送るための身体機能維持・回復が目的です。

◯適用される保険

訪問マッサージ
医療保険のみです。したがって年齢は関係ありません。

訪問リハビリ
基本的に65歳以上であれば介護保険が適用されます。要支援・要介護認定を受けていない人や医師の判断で医療保険が適用になることがあります。

◯対象の症状・疾病

訪問マッサージ
症状として、筋麻痺・筋萎縮・関節拘縮がある人が対象です。その他にも医師の診断によって医療上のマッサージが必要と認められれば訪問マッサージの対象となることがあります。

自費での訪問マッサージだと症状に関係なく受けられます。
こちらを参考にしてください。
訪問マッサージにおける自費治療と料金について

訪問リハビリ
疾病や怪我の種類に関係なく、医師が必要と診断すれば訪問リハビリを受けることができる。

◯医師の介入

訪問マッサージ
医療保険適用で利用する場合は医師に同意書(診断書)を発行してもらう必要があります。
医療保険を使う場合は傷病名が必要なので、医師の診断がなければ適用されません。
あん摩マッサージ指圧師は開業権がある為、医師の診断や同意がなくても自費で受けられます。

訪問リハビリ
医師の指示書または診療情報提供書が必要です。理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が行うリハビリは医師の指示なしで行う事はできません。

どちらを利用すればいいの??

どちらを利用するかは、ご家族やケアマネージャー、医師と相談して決めるのが良いでしょう。

施術内容的にも、どちらもマッサージなどの物理療法や機能訓練など行いますのでほとんど変わらないでしょう。もちろん、訪問マッサージはマッサージがメインですが、施術者の判断で内容を変える事ができるので、訓練もしっかり行いたい場合はそういった方針の治療院を選ぶと良いでしょう。訪問リハビリは医師の指示によって変わります。

時間や回数は、訪問マッサージは基本的には決まりはありませんが、多くの治療院では20分〜30分と決めているようです。訪問リハビリは1回20分・週6回以内と決まっています。

大きな違いは適用される保険の種類です。介護保険では介護度によって受けられるサービスが変わってきます。介護度が低いとリハビリまで出来ないなんて事も。しかし、訪問マッサージなら医療保険なので介護度や他のサービスの兼ね合いを気にせず受けられます。

20分程度じゃ足りないという方には、自費で訪問マッサージを受けることもできます。保険がきかないので全額自己負担ですが、もっと長く施術を受ける事ができます。訪問リハビリは自費で受ける事はできません。医師の指示以外の事は出来ないためです。


状況に応じて、訪問マッサージと訪問リハビリは組み合わせて利用する事も出来ます。

訪問マッサージ、訪問リハビリどちらも医療上必要とされるものです。どっちを利用すればいいかは、主治医や周りの人によく相談しましょう。

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