【新連載:コラム】今日、何食べる??

健康のためには
「バランスよく栄養素を摂る」
だとか
「偏った食生活を改善する」
なんてわかっているけど、いざ実践しようと思うと難しいもの。

だからこそ、管理栄養士という国家資格を持った方々がいらっしゃるのですが、なかなか一般生活で会うこともありません。

AHAKI BASEでは管理栄養士兼あん摩マッサージ指圧師でもある
あんとん先生に「食事について」のコラムを書いていただくことにしました。
今日は記念すべき第1回です。

今日、何食べる??

超高齢化社会を生き抜くには何が必要でしょうか?
それはやはり『健康である』ことが一番かと思います。

では、『健康である』ためには何が必要でしょうか?
人それぞれではあると思いますが、私としては『食べること』『運動』が頭に浮かんできます。

巷でもよく言われるように、この二つは車の両輪で、どちらかに偏ってもうまく走れない。

例えばダイエットをしようと思ったときに『食べない』だけじゃ痩せないし、『運動』だけでもダメ。体重は減るかもしれないけど、痩せ衰えちゃうのは違いますよね。

良い筋肉をつけて、元気に楽しく過ごす。これが一番だと思うのです。

『健康な身体づくり』というワードには、『栄養』というワードがつきものですが、私たちは『栄養』を食べている訳ではなく、『食べ物』を食べた結果、『栄養を取り込んでいる』のですよね。

ですからここでは『栄養』ではなく『食べること』にフォーカスして、私の日常からつぶやいていきたいと思います。

若さと食事

隣でステーキ300gなんて頬張っている若者を見ると、「元気で良いな~」などと思ったりしませんか?

私も若い頃(学生時代)は5合炊きのお釜を抱えてもりもり食べていましたが、さすがに還暦を迎えるとそんなには食べられなくなりました。

若いって食べられるんですよ。

お釜を抱えていたころは、食べても全然体重が増えませんでした。

身長もそんなに高くはないけれど、クラスで並ぶときは少し後ろの方に位置していて、ひょろひょろした体型なのでもう少し肉付きをよくしたかったのを覚えています。

食べられなくなったな~、と自覚したのは50代半ばくらいでしょうか。

40代の頃は、職場の忘年会でも男性職員と同じくらい飲んだり食べたりできましたが、50歳の大台に乗ってからは三分の一は誰かに譲るようになりました。

同時に筋力の衰えも感じるようになり、しゃがみ込んだら立ち上がるのが大変になったのがやはり50代半ばでした。

「食べられない」は「立ち上がれない」?

立ち上がりがしづらくなったのがショックで、筋トレを始めてみました。

定番のスクワット。

さらに動画を見ながら良さそうなトレーニングを入れて、3か月。

おや?体重が減ってきた。

筋トレを追加すればエネルギー消費量は上がるので、それに伴って食事量を増やさなければ体重が減るのは道理ですね。

でも、どこが減ったの???

どうも大腿周辺がスジ張ってきた感じがする。

ということで大腿周径を測ってみると、1㎝まではいかないまでも減ってる!!!

これはまずい。

「使えば筋肉が増える」は間違い

筋トレをすれば筋肉が増えてムキムキになると思っている人は多いと思いますが、それは間違いです。

学生時代、ボクシング選手の食事調査をしたことがあります。

ボクシング選手は体重で出られる試合が決まります。できるだけ有利に闘うために、一階級おとすべく減量をすることが多々あります。彼らは筋力はつけながらも体重を落とすという正反対の課題をクリアしなければなりません。

ですから、試合直前になっても減量が追い付かない場合など、超低カロリーダイエットをしないといけないのです。そして、その間も変わらずトレーニングを続けていきます。

減量開始の体組成は普通の青年と変わりません。減量がすすむにつれ脂肪が燃焼し、体脂肪がみるみる落ちていきます。私が担当していた選手は体脂肪4%まで絞りました。

ところがそれでも階級を下げるまでに至らず、更なる減量をすることになりました。

体脂肪はこれ以上減りません。

お腹も背中もつまむことすらできないくらい、パツパツです。

いったいどこが減ると思いますか?

最後に削られたのは、大腿部の筋肉でした。

食事と筋肉の収支バランスが重要

超ハードな減量をしているので体力もギリギリになりますが、計量が終わればこちらのもの。

エネルギー転換しやすいものをしっかり摂って試合に備えます。

試合の後はお腹もすいているのでお腹いっぱい食べて、あっという間に元の体型に戻ります。

いわゆるヨーヨーダイエットなので、あまり身体によくないですよね。若いからできるスポーツです。

このように、どんなに筋トレをしても必要な栄養源が入って来なければ、使った部分をエネルギー源に変えてしまうので、筋肉は育ちません。育たないばかりか減らしてしまうので、その分筋力が落ちてしまうのは当たり前ですね。

ですから私の場合も「食べられなくなった」時期に「立ち上がりづらくなった」ことを踏まえて、筋トレと共に食事の内容も精査しなければいけなかったのです。

食事はどれくらい摂ればいいの?

食事の適正量を維持するための最も手軽な目安として、体重と体脂肪を毎日測ることをお勧めします。

出来れば最初に体組成を測って、基礎代謝を確認すると良いと思います。

私はジムで測ってもらっています。

食事の管理は優秀なアプリがたくさんあるので、使い勝手の良いものをスマホに入れておけばよいでしょう。

気を付けたいのは※PFCのバランスと、カルシウム、マグネシウム、特に女性は鉄でしょうか。サプリメントを利用しているなら、脂溶性ビタミンも適正量に収まるようにすると良いです。
※Protein(タンパク質)・Fat(脂質)・Carbohydrates(炭水化物)の略
※脂溶性ビタミン:ビタミンA・D・E・K

カルシウムは日本人であれば「足りない」栄養素の代表ですが、サプリメントで大量に摂取するのも実は問題があります。ビタミンAやDのような脂溶性ビタミンも同様です。

アプリで目標体重を設定すると推奨量がでてきますので、どの栄養素にしてもその上限までの量を目指すのが安全です。

私の場合、始めた頃の基礎代謝は1000kcalでしたが、先日体組成を測ると1200kcalになっていました。

そこに活動量+運動量が組み入れられるので、推奨エネルギー量は2000kcal(活動量だけなら1700kcl)。

身長155㎝で体重が45㎏(BMI18.7、下限ぎりぎり!なので、維持を目標にしています)ですから、一般的な計算方式だと1400kcalがせいぜいなので、基礎代謝をしっかり上げるとかなりな量を食べられることになります。

※BMI(Body Mass Index:体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数)
【計算式=[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]】
例)体重60kg、身長170cmの場合 60kg÷(1.7×1.7)=20.76

日本肥満学会の定めた基準では18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」で、肥満はその度合いによってさらに「肥満1」から「肥満4」に分類される。
BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされる。25を超えると脂質異常症糖尿病高血圧などの生活習慣病のリスクが2倍以上になり、30を超えると高度な肥満としてより積極的な減量治療を要するものとされる。

引用)厚生労働省 e-ヘルスネット:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-002.html

ここまでになるには約3年はかかりましたが、「50代後半の女性で自力でここまでやれる人はなかなかいない」と、トレーナーにも褒めてもらって上機嫌です。

次回もお楽しみに♪

<ライターProfile>
name:あんとん先生
とある管理栄養士
ある時はあん摩マッサージ指圧師
食と運動と手技療法の3本柱でフレイル予防を提唱している

関連記事

  1. 【第二回】公認心理師が解説!からだケアのための”こころケア”

  2. 【コラム】第3回:今日、何食べる?

  3. 【新連載:公認心理士が解説!からだケアのための,こころケア】

  4. 【第三回】公認心理師が解説!からだケアのための”こころケア”

  5. 【コラム連載2回目:今日、何食べる??】バランスってどうやって取るんだ??

カテゴリー

  1. 【第四回】公認心理師が解説!からだケアのための”こころケア”

  2. 【第三回】公認心理師が解説!からだケアのための”こころケア”

  3. <インタビュー:松田博公先生> 究極のわざへ 〜日本鍼灸を求め…

  4. 【第二回】公認心理師が解説!からだケアのための”こころケア”

  5. 【番外編】AHAKI NEWS 〜あん摩マッサージ指圧業に関する研究調査が…