"鍼灸を解き明かしたい"  その想いが創り上げた鍼灸外来という臨床研究の場
専門医との連携もスムーズな"総合病院の中の鍼灸外来"
全身を診る鍼灸・あん摩だからこそ、他科・他職種との連携が重要
コリが元の病気を増悪させ、あるいは治癒を阻害する
鍼灸あん摩の仕事は"コリを取り除くこと”
鍼灸外来発足時に揮毫された"鍼灸学"の書
鍼灸学の確立は「あん摩と鍼灸はプロによる医療行為」である為の境界線
鍼を刺された痛みはほとんど気づかない 
でも身体の中でしっかり響く
この"響き"こそが効いている証拠 
鳥海先生の手は優しくやわらかい
都心からのアクセスもよく、湘南・江ノ島を有する人気の藤沢
地域医療の中核である湘南慶育病院

<藤沢市・湘南台>湘南慶育病院 鳥海 春樹

鍼灸・マッサージ治療院が成功する秘訣はー地域密着ー
必殺の気合いが患者の辛い”C O R I (コリ)”を取る

駅前にある鍼灸整骨院や
路地裏に佇む鍼灸マッサージ治療院だけじゃない
今や病院で鍼灸が受けられる時代がやってきている

藤沢市、湘南慶育病院鍼灸科部長の鳥海春樹(とりうみ はるき)先生は
総合病院内で鍼灸外来を受け持つ希少な鍼灸あん摩マッサージ指圧師

臨床だけでなく鍼灸の研究でも多くの実績を持つ先生の研究テーマは”コリ”
体表に現れた異常部位(正常より硬い・柔らかい・冷えている・火照っている等)が
さまざまな体の不調を引き起こすと仮定し、医師と連携しながら臨床研究を続けている

鍼灸医学はどんな体の不調も体表にコリを作るという仮説(経絡論)を元に成り立っている
コリがあるから不調が治らないし、不調だからコリができる
“あはき”は身近な医業の一部として
さらなる浸透・発展の伸びしろがあるはず
鳥海先生の”必殺の気合”が患者のコリも業界のコリも取り除いていく


基 本 情 報

氏名鳥海 春樹(とりうみ はるき)
治療院名健育会 湘南慶育病院 鍼灸外来
住所〒252-0816 神奈川県藤沢市遠藤 4360番地
最寄り駅小田急江ノ島線・相鉄いずみの線・横浜市営地下鉄 
湘南台駅からバスで約15分 
慶応大学前 下車

JR東海道本線
辻堂駅からバスで約20分
慶応大学前 下車
外来診療時間【診療日】
月曜・火曜・金曜
<午前> 9:00〜12:00 (受付時間 8:30〜11:30)
 <午後>13:30〜17:00 (受付時間 13:00〜16:00)

【休診日】
 土曜・日曜・祝日 

※鳥海先生の診療日は金曜のみ
保有免許
(国家資格)
あん摩マッサージ指圧師/はり師/きゅう師
医学博士
出身校日本理療鍼灸専門学校 鍼灸あん摩マッサージ指圧科
所属学会・団体全日本鍼灸マッサージ師会・神奈川県鍼灸マッサージ師会
日本鍼灸師会・神奈川県鍼灸師会
全日本鍼灸学会・日本脳循環代謝学会・日本微小循環学会・日本頭痛学会
メニュー

料金体系
1回¥6,000
(税抜・約1時間)
出張・訪問についてなし
お問合せ先電話番号:0466-48-0050
公式ホームページ:https://keiiku.gr.jp/subject/acupuncture.html
備考※はりきゅう外来受診日と同日の他科保険診療は不可

AHAKI BASEでは施術所の情報だけではなく、施術者自身にフォーカスし、
もっと施術者自身を知ってもらいたいと考えています。
先生方の考え方・価値観などを<キャリア・経営・施術>の3つの視点で掘り下げて参ります。

1)キャリアについて
Q:簡単にご経歴を教えて下さい

鳥海先生
湘南慶育病院鍼灸外来で部長をしております、鳥海です。
1997年花田学園(日本鍼灸理療専門学校)卒、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師です。免許取得後は指圧治療院で何年か勤務したのち、2002年に鳥海鍼灸院を開業しました。
並行して、研究の為に東京理科大・慶應大学大学院に行き、大学院修了後の2011年に慶應義塾大学病院神経内科の中に鍼灸外来を開設。特に神経内科領域における難病に専門診療と連携して鍼灸治療をおこなってきました。
2017年の湘南慶育病院の開院以来、鍼灸外来を預からせてもらっています。

Q:はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師になろうと思ったきっかけは何でしょう?

鳥海先生
祖父が視覚障害の鍼灸師だったんですね、墨田区で。鍼灸というものには馴染みがあったんだけど、「解明されていない」という所と「伝承されてきた技術」という所に、これだー!!とピンと来たんだよね。子どもの頃に合気道をやってたのもあって、鍼灸が武道と近いのも惹かれた理由かもね。この仕事いいじゃん!!て。技術の内容が解明されていないのに国家資格だし、実際に病気治っちゃうし『こりゃあスゲェ』って思ったね(笑)

Q:わかってないから解りたい、という気持ちから研究の道へ?

鳥海先生
臨床している人は研究できないし、研究している人は臨床できないってイメージがあるじゃない?最初はオレは現場で生きようと思ってた。北斗の拳が流行ってたし、トキじゃん!みたいな(笑)
ところが、2002年に開業して2年くらいしたら、”なんでこういう風に刺すとほぐれるんだろう”って気になってきたわけ。”刺し傷をつけた周りでどんなことが起こるんだろう”とか” 何で背中に鍼刺してんのに足が緩むんだろう”とか、刺した先で何が起こっているのかね。これは東洋医学に携わる人は誰でも持つ疑問であって、同時にそれが解明されていない点じゃないかと。それに気付いてしまって解明したくなっちゃった。

Q:あはきの研究って出来る場所が限られていて進むには難しそうに感じます

鳥海先生
鍼灸の大学は東京有明医療大学、明治国際、森ノ宮、帝京平成とかいくつかあるけど、鍼灸はそもそも解明されていないわけだから、鍼灸の基盤から考えられる様になりたいとか思ってしまって、理学部→医学研究科と進んじゃった。
現状の鍼灸業界の中だけで通じる研究では、他の業界・分野には話は通じない。逆に、普通の学問として中身が整理されたら、どこの誰とでも話は通じるはず。 按摩や鍼灸が真の意味で学問となれば、例えば、東大でも早稲田でも、普通の大学の中に、法学部や医学部のように「鍼灸学部」の設置を想定できる。そしたら、いろんな分野と連携して学問としても進むし、研究・教育の質も上がるし、よりよい人材が集まってくるし、いいことしかないよ。そういう意味でもオレは「鍼灸学」を確立しなきゃいけないと思ってるね。

Q:鍼灸学の確立に必要なこととはどんな事でしょう?

鳥海先生
現状では、東洋医学は、体系立った解明を一回棚上げにせざるを得ない状況。まだわかっていない事が多すぎるからね。今必要なのは、臨床現場で起こっている現象から、医学的にまだ分かっていない反応を抽出していくのが大事。鍼なら刺し傷、灸なら火傷、あん摩なら打ち身、それぞれの刺激が「経絡」と言われてきた仮説に則って全身に広がっていくんだから、これを科学化するには、いろんな知識の「部品」がまだ欠けているのよ。
我々のやってる「あはき」って誰でもできそうなことだけど、きちんと免許持っている人だからできることの境界線になるのが学問だし、昔の人が言ってたことを、ちゃんと現代語に翻訳するのが俺らの世代の鍼灸按摩師のつとめだよね。

Q:臨床にもう一度立ち返って、臨床で起こっている事象に目を向けるという意味では、我々臨床現場のあはき師がデータを集めたり、症例報告したりといったことも大事なのでしょうか?

鳥海先生
そうだね。でも、どんなデータを集めるかには工夫がいるよね。今ではバイオセンサーもすごく進化してきたし、AIも活用できる様になる。臨床で起こっている事象から、体の反応を体系的に抽出できる時代も近いんじゃないかな。こうやって、我々の臨床現場から明らかになってくる「まだ未解明の体の仕組み」を積み重ねていくと、昔の人が言っていた東洋医学が、再度我々の眼前に現れてくるんだよ。

Q:将来的に開業あはき師が集積できるデータは何がいいですか?

鳥海先生
やっぱり自律神経だよね。バイタル。
鍼灸マッサージの影響を計測できるツールがいっぱい出来てきている。例えばスマートウォッチもそうだし、住宅会社でも見守り用カメラで体温とか動きのセンサーがついてる住宅を販売してる所もある。つまり今後、姿勢が変わった、とか、動きが変わったってことをデータで集積することは当たり前の時代になるだろうね。日常生活をセンシングする社会であれば、実は按摩鍼灸の効果は普通に見えるようになると思うよ。

Q:現時点でオススメのセンサーはありますか?

鳥海先生
今だと、脈波とサーモグラフィーじゃないかな。加速度脈波ってのは、その人の交感神経と副交感神経がどれくらい働いているかを見る指標。鍼灸研究でもよく使われてる。サーモグラフィはどのくらい暖かいかを見るわけで、どのくらい血が巡っているかが分かる。
つまり、測る対象は、「神経活動:脈派とかetc.で測る」と「血管活動:サーモとかetc.で測る」の2つ。

鳥海先生
黒野保三先生って知ってるかな。全日本鍼灸学会の立役者で、日本生体制御学会を作った凄い先生。この先生が御生前、ずっと「鍼灸学」を提唱してらっしゃった。でも、何と言っても黒野先生の凄いのは今から30年位前に「鍼灸専門医」制度を実現しかけたことなのよ。

たとえば医師は、医師免許を取ってから内科学会の試験を受けて「内科医」になるでしょう。整形外科医は、医師免許をとってから整形外科学会の試験を受けて「整形外科医」になる。これと同じように、鍼灸師が全日本鍼灸学会の試験を受けて「鍼灸専門医」になれる、という奇跡の仕組みだったのよ。
はり・きゅう免許を取得してから、さらに認定医を取得できるような2段階構造を作ろうとなさったわけ。医師・鍼灸師・歯科医師・獣医師・看護師が受けられる「鍼灸専門医」の仕組みだった。鍼灸専門医になれば、保険算定された鍼灸治療を保険請求できる、つまり鍼灸院が保険医療機関になるシステムだったんだけど、凄くない?!(笑)

うまく行っていたらこの30年の地域医療の事情を一変していたかもしれない「鍼灸専門医制度」は、結局、“鍼灸業界の事情で“ 潰されたのね。これ、色々都合が悪い団体が多いから、学校でも鍼灸師会でも全然知らされていないけどね。

Q:実現しかけていたんですか?

鳥海先生
そうそう。90年代初頭の頃、WHOが世界的な補完代替医療の科学化と統合医療の推進をうたった流れで、日本も「鍼灸師のレベルを上げるべき」ということになって、厚生省(当時)と医師会からも「鍼灸専門医」を作ってくれと頼まれたそうだよ。この中で、それまでいくつか分立していた鍼灸系の学会が合同して、今の全日本鍼灸学会がめでたく設立された。日本鍼灸医学会という学会の主だった黒野先生は、この流れに沿ってガンガン鍼灸専門医制度を推進したわけ。でも実現直前で、身内の内輪揉めによって流された、という話。

Q:もし実現していたら業界が変わっていたでしょうね

鳥海先生
If の話をしても仕方ないけどね(笑)。「何々が実現してたらもっと良かったかも」という話は、この業界にはわんさか転がっているから。鍼灸専門医の話も当時の社会現象の中で出てきたものだし、それを推進した方も潰した方も、今とは違う環境の中でせめぎ合ったわけだから、一概には功罪は問えないよ。

ちなみに、黒野先生に「もう一回認定医制度作って下さい!」ってビビりながらお願いした事がある(笑)。
「もう今とは状況が違います。」って断られちゃった(笑)
駆け出し鍼灸師の俺にも、親身にきちんと話して下さる偉大な先達でした。

Q:世の中の仕組みを変えるには行政・政治への働きかけが不可欠ですが、その為にも、あはき業界が一枚岩にならないといけませんね

鳥海先生
言うは易し、だね。組織率が低い業界は政治力が無いのは自明のことなんだけど、組織率が低いのには理由があって、、、簡単な話、会費を払わなくても営業に支障はないから誰も業界団体に入る理由がない(泣)。
医師会や看護協会なんかだと、入らないと実質仕事に”差し支える“。あはき業界団体にはそういう仕組みがない。現状ではね。せっかく中央官庁や政治家が鍼灸マッサージの可能性に気付いたとしても、「あー、この業界は団体がバラバラなんだなー」ってバレちゃうと支援のしようがない。というか触れたくなくなるからね。

Q:世界最弱の業界団体をどうにかしなければいけませんね。。。

鳥海先生
まあ世界一っていうのは、とてもレアでいいんじゃないの。伸び代も世界一よ(笑)

3)経営について

Q:鍼灸・マッサージの施術所が生き残っていくには何が必要でしょうか?

鳥海先生
これはもうズバリ、”地域密着”。これしかありません。

Q:地域密着で経営していくには地域の医療機関との連携こそ必要だと思います。連携において必要なことはなんでしょう?

鳥海先生
基本的には「ウチに来るとこういう風に変わります」というのをどう示すかにかかっています。
他職種の人、たとえばケアマネさんに、「ウチの治療院では○○な患者さんを、大体○回くらいの治療で○○な状態に変えられます。」って説明出来れば、「○○な利用者様がいるんだけど、お任せできますか?」って、患者さんを回してくれ易くなる。自分がやっている内容を、プロとして咀嚼してプロとして自分の言葉で伝える気合いが大事だと思う。これが全てな気がしています。自分の臨床経験や勉強したことを必殺の気合いで消化して、必殺の気合いで相手に伝える。これだと思うよ。

Q:我々がする仕事でどんな変化が起こるのかを言語化して正しく発信していかなきゃいけないですね

鳥海先生
そう。ちゃんと自分の言葉と気合いで発信する鍼灸マッサージ治療院が増えるほど、ジワ〜っと地域に按摩鍼灸が根付いて、我々の仕事も楽になってくると思う。これが正しい按摩鍼灸の広報活動よ。

うちは院内で連携する時、たとえば脳神経内科のお医者さんに「片頭痛って鍼効くの?」って聴かれるでしょ。「効きます」って答えると医師からは「どうなるの?」聞かれるわけ。単純に「頻度が減ったり、重症度下がりますよ」って答えるだけ。で、「じゃあ一回試してみるわ」って紹介してもらう。
患者さんに「鍼灸に紹介してくださってありがとうございます!!」とお礼を言われた紹介元の脳神経内科医は、うちに「患者さん喜んでたけど、鍼灸ってどういうシステムで効くの?」て聞いてくる。そういう時に、はっきり気合いで「知りません」と答えるのが大事だと思う。真実だからね。片頭痛を改善する「治療のやり方」は、古来伝わっているけれど、そのやり方が「どういう身体反応のシステムを稼働して治すか」は、まだ未解明な訳よ。

つまり、病気が治るのを邪魔するコリを”上手に取るのが按摩鍼灸”という事を、自分の言葉でどう伝えるかが、プロの技の見せ所かな。それでコリ取っちゃうとお医者さんは「すげぇ!取れるんだ!!」って連携してくれるわけ(笑)
その変化を患者さんでもお医者さんでも共有すればいいだけ。

Q: 一方で整骨院や整体院とどのように差別化を図るべきでしょうか?

鳥海先生
難しいですね(笑)
免許者の方が上手ければ、自然と差別化が出来るはずなんですが、最近では技術の良し悪しだけがお客さんの判断基準ではない気もするしね。でも技術を売る商売だから、やっぱり差別化の原点は上手いか下手かだよね。 何を上手いとするか、それが問題。

Q:何を基準に上手いか下手かを判断できるでしょうか?

鳥海先生
患者さんにどれだけ”いい変化”を与えられたかだと思う。治療院に来た患者さんが「あん摩を受けると身体がこう変わるんだよね」「はりきゅうを受けるとこんな風にいい変化が出るんだよね」という実感にお金を払ってくれるかどうかが、この仕事が成り立つかどうかの分かれ目。免許持ってる人だとしっかり身体を変えてくれるけど、無免許整体院だと何だかはっきりしないわ、って患者さん自身に思って貰えるようにするのが大事。結局は、免許者は気合いと修練で腕を磨けってことだよね(笑)。

Q:無免許者の方が広告などにも制限がないですし、やりたい放題なマーケティングをしている印象がありますがどのように感じますか?

鳥海先生
マーケティングよりも、実は無免許の人の方がウデが良い問題もある(笑)
免許持ってる人の方がヘタレてて、免許持ってない人の方が気合い入ってる。鍼灸学が確立していない現状では、資格試験が実力を担保出来ないので、その担い手の実務能力が免許者と無免許者で逆転する場面があるのが問題かも。ちゃんと一軒一軒の鍼灸院、一人一人のあはき師がきちんと実力を気合いで示していかないといけないよね。

Q:先生が思う「実力のある人」の定義はなんですか?

鳥海先生
お客さんをしっかり変化させて帰らせることができる人。合わせて、変化したことをお客自身がわかるようなアフターケアができる人。「私、あそこの治療院に行くと○○が変わるのよ、あなたも行ってみなさいよ」と、お客が知人に話したくなる人。この実力こそが、集客とリピートの根幹だろうね。
あとはやっぱり気合いだよ(笑)

Q:開業時に先生がやった営業活動はなんですか?

鳥海先生
まず、地元の整形外科クリニックで午前中バイトしました。通院リハビリと牽引つけたりマイクロかけたりする係。病院には通常診療で治らない人が沢山いるからバイト先で客を攫ったの(笑)
午前中バイト先で会うお客を、午後は自分の院にエスコート。これは接骨院とか他のマッサージ店でやるとトラブルになるけど、医療機関だとトラブルにはならない。
あと、地域のお祭りには大小問わず参加しました。たとえば月島でやってた時は、モンジャストリートの七夕祭りに突入する。事前の手伝いを買って出て、町会のおじい様方を端から肩揉みしていく。
患者さんにも七夕札渡して夢とか書いてもらうんだけど、この時はうちの笹飾りだけ札に書いてあるのが夢じゃなく「変形性膝関節症」とか「腰痛」とか書いてあって笑ったよ。
地域行事に参加するの、すごく大事よ。

Q:先生の社交的なキャラクターが活きてますね。

鳥海先生
そうじゃないと生きていけないよ(笑)
いくら頭も顔も性格も良い鳥海先生でも、コミュ力がなければ営業力に繋がりません(苦笑)

Q:そのように積極的に社会と繋がろうと思う人たちばかりだといいのですが、、、もっとあはきが社会と繋がる為にはどうしたらいいでしょうか?

鳥海先生
簡単だと思うけどね、だって誰だって肩凝ったり、腰凝ったりするわけじゃん。日本中のあはき治療院が「ウチに来るとこうなります」って正しく発信し始めたら変わると思うよ。そしたら社会のいろんな層にハマるよ。日本社会なんてコリ量産システムなんだから(笑) でも、正しく発信ね。

3)施術について

Q:先生の施術の特徴を教えて下さい

鳥海先生
とにかく、その人の病気を治すのを邪魔している”コリ”を見つけて取ってます。引き攣っているところをふっくらさせ、ペナペナしたところをしっかりさせる。基本、他業種に自分達の仕事を説明する時も「悪いコリ取ってます」で説明してる。で、じゃあどうやってコリを取るかっていうと、やってることは昔の人たちと同じことなんだよね。脈診・腹診・舌診もやるし、手と鍼と灸っていう道具は一緒だし。奈良時代の人も同じこと言うと思うよ(笑)

Q:鍼灸外来ならではの特徴はありますか?

鳥海先生
ウチでやってることを簡単に説明すると、患者さんには「あなたの悪いコリはこの辺にあります」って説明してコリを自覚してもらう所に重点を置いています。悪いコリを消すために鍼灸受けた後は、家ではコレやってね、とセルフケアのメニューとセットにしています。それで、患者さんと我々で同じ目標に向かっていく。このための作り込みは色々やってます。院内でセルフケアの為のお灸教室実施、とかね。


Q:先生が研究している”CORI(コリ)マップ”について教えて下さい

鳥海先生
我々は、コリを「正常から逸脱した部位」と捉えて研究してきたのね。”Conjugated Regional Inhomogeneity-Map:連結した局所の非均一性”というのがウチらのコリに対する認識。CORIになるように無理くり単語を当てはめた(笑)
「CORI」は結局、”血流のムラ”と”神経活動のムラ”が起こってる場所だから、患者さんや医師に向けて「ウチに来て頂ければ、悪いコリを見つけて無くしていきます」と説明する。少し詳しく聞かれたら、「コリは血流のムラと神経活動のムラなので、これを正常にします」「コリは病気が治るのを邪魔する悪い奴なんです」って感じ。それ以上でもそれ以下でもないのが鍼灸外来の仕事。

Q:”コリ”は連結してくると悪くなる?

鳥海先生
運動し過ぎで痛くなった筋肉痛とか、単一筋の不具合なら大して悪さはしない。それが系統的に、グループになった時に悪くなるの。内臓機能の変調(つまり病気)があると、そのせいでコリは全身に育っていく。例えば、胃が悪いとする。そうすると胃の平滑筋が変なふうに動いたり血流がスムーズに流れなかったりして、胃壁が実際にコるわけ。胃のコリで内蔵-体性反射を介して、背中にコリが出てくる。さらに背中だけじゃなくて胃経の領域にもコリが出てくるのよ。この系統立った領域が伝承されてきた「経絡」ってもの。つまり、局所のコリは、結合し、疾病増悪因子としての悪いコリ(=CORI)になる。この悪いコリを患者さんと我々で一緒に消していく。

Q:患者さんと一緒になってコリを取っていくんですね

鳥海先生
そうそう。「僕らはこのコリを取るのを手伝いますんで、お家ではこんなことやってみて下さいね」って伝えるの。そうすると患者さんと一緒に3ヶ月くらいのクールで身体を変えていける。患者さんと一緒にってこともキモだよね、共同作業みたいな。信頼関係ある共同作業こそが東洋医学の本質よ。

Q:最後に、あはきとは医業ですか?医業類似行為ですか?

鳥海先生
医業です。


編集後記

今回は数々の講習会やテレビ出演などもされている湘南慶育病院の鳥海先生を取材させて頂きました。

東京都はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師会主催の鳥海先生の講習会を拝聴して以来、
編集も先生に心つかまれたファンの1人です。
今回の取材をご快諾頂けて大変嬉しかったです。

実は今まで鍼が苦手だった編集Sですが、
鳥海先生の鍼はガンガン響いてくるのに
イヤな痛みは全くなく、むしろスッキリして心地いい。
これまた鍼のファンになってしまいました。鍼オススメですよ、鍼。

臨床も研究も行いながら業界が良くなるように考えを巡らせ、
後輩たちの活動にも快く協力して頂ける素敵な大先輩です。

たまにはお家に帰って、ゆっくり休んで頂きたいです(笑)
大変勉強になる時間をありがとうございました。
引き続きご指導頂ければ幸いです!
ご協力ありがとうございました。

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