昨年11月に第2子を出産し、早3ヶ月。第1子を連れて里帰り出産し、年末ようやく我が家へ戻ってきた。令和2年、どんな年になるのだろう。実家は関東、住まいは関西。夫も仕事が忙しく、何かあってもすぐに頼ることのできない環境で、2人育児は果たしてできるのだろうか。『まあ、なんとかなるだろう』持ち前の前向きさで新年を迎え、年末年始の休みが終わり、世間は日常へと戻る、はずだった。
想像を絶する育児
2人の育児は想像を絶していた。第1子はまだ2歳10ヶ月。赤ちゃん返りもしており、より一層手が掛かる。第2子は経験があるせいか、本人の性格もあってか、やりやすい子でとても助かった。しかし、2〜3時間毎に授乳が必要で睡眠不足が続いた。子供が1人だけならば日中子供と昼寝・・・なんてことができるのだが、2人となるとそうはいかない。たとえ夜眠れなかったとしても上の子は朝から平常運転。寝不足の中、1日家事育児をこなすのがこんなにもキツいとは思っていなかった。世のお母さん方はこの生活を当たり前のようにこなしている訳で本当に尊敬する。ついには疲労が身体の症状にも現れはじめ、頭が重く、肩こり、背中から腰にかけて鈍痛を感じていた。しかしながら、日々の忙しさにそれらの症状はかき消され、自分のことなど後回し。その時にはツケがあんな形でくるなんて思いもしなかった。
1月下旬のある朝、どうも身体が動かないのだ。いつもはなんとか起き上がれるのに、今日は身体と布団が一体になった感覚がある。『これはまずい』と思い、いざという時に利用していた一時保育先の保育園への電話をかけた。幸い空きがあり、上の子を預けられることになった。身内がいない我が家にとって神様である。夫が仕事に行く前に保育園へ送ってくれるとのことで、下の子はいるもののその日を休息日にできた。それにしても体が痛い、だるい。寝不足が続いていたため、頭もボーッとしている。以前、ママ友から「鍼治療を受けたら身体が楽になったのよ」という話を聞いていたため、早速電話をした。すぐに受付の女性スタッフが出てくれた。「あ〜、大人と話せると嬉しい」と全く関係ない気持ちが湧き上がった。症状を話すと鍼灸の先生に変わってくれた。訪問もやっているとの話だったので、利用することにした。
やっとできた身体のメンテナンス
その日のお昼過ぎ、「ピンポーン」と玄関のチャイムがなった。重い体を引きずるようにして玄関まで行くと女性の鍼灸師の姿が見えた。早速リビングに入ってもらった。その間、下の子は機嫌よく起きており、いつも聞こえない声に不思議そうな顔をしていた。どうか、施術が終わるまで大人しくしててと思った。リビングにしいていた長座布団にうつ伏せになった。
まずは全身の状態をみてもらい、時折感じる激痛に思わず声が出た。「指圧も入れるけど、鍼をしたら楽になるわよ」と言われ、独身時代に鍼治療の経験があった私は二つ返事でお願いした。首の付け根に肩から6本、腰に3本と打った。懐かしい感覚だった。指圧をしてもらいながら2人育児の悩みを聞いてもらった。その方も2人の育児中で、「私は仕事してるから2人とも保育園に預けているけど、1日家で見るのは本当に大変よ。よくやっているわー」と励ましてもらった。その言葉に思わず涙腺が緩んだが、そのタイミングで下の子がむにゃむにゃとおしゃべりを始めた。「ついに泣くか?」という意識に涙が引っ込んだ。幸い機嫌はまだ持ちそうだ。『もうちょっとで終わるから、協力してー!』と念じた。その後、仰向けになり首のストレッチと身体の歪みをチェックしてもらった。おしゃべりをしているとあっという間に施術が終わった。時間にして20〜30分くらいだったろうか。
ゆっくりと起き上がった。『か、身体が軽い!頭もすっきり!!』施術前との変わりように自分でも驚いた。ついつい自分のことを後回しにしていたけど、私が元気でなければ困るのは家族。メンテナンスも大事だなぁと気づかされた。施術はもちろんだが、悩みも聞いてもらえたことで、心のケアまで一緒にできた。今後は疲れがひどくなる前にお願いしようと心に決めた。